かしおきば

友利エイルの作成した楽曲の歌詞等を置いておく場所です。

Mirage


作詞作曲:友利エイル

瞼の裏に灼き付いた
幻想を胸に


吹き抜けた 吹き抜けた目を伏せ
項垂れた気持ちに蓋をした
突き抜けた 突き抜けた ひたに
走り抜けた 髪が擦れ煌めいた

抱き留めた 抱き留めた身体に
強張った掌を重ねた
膨らんだ膨らんだ想い枷になって
両足を掴んだ
揺らめいた揺らめいた記憶は
明日を恨んだ過去を見下ろした
いつの日か忘れるか分からず
怯えるように耳を傾けた

夕立を受け
肩を落として
宙を見上げる事ももうないでしょう

誰も彼もが夢に見た
風を飲み干して
晴れの合間の曇り空
まだ光遺して
貴女の涙の向こう側
今なら見えるのに
瞼閉じたら夢の音
喧騒の上に


朝焼け揺れて
首を擡げて
さざめき眠ることももうないでしょう

誰か叫べば劈けた
風を飲み干して
枯れた大地を積み上げた
何故か憶えてる
貴女の涙の向こう側
今なら見えるのに
瞼閉じたら夢の跡
喧騒の上に





解説
昨今の曲はCDなどで一曲丸ごと聴かれるよりもストリーミングで聴かれる事が多いので、最初の2秒が重要だったりします。
この曲ではこういうサビだぞと伝える為に、本来なかった箇所を一番頭に追加しています。つまり最初の言葉が最後に言いたい事な訳です。
Mirageは蜃気楼、幻影という意味ですが、いつもと比べてシンプルなタイトルになってしまった気がします。
元々は夏を強く意識していたのですが、オールシーズンに通じるように「夏」などの文言は削除しています。夕立は夏の季語ですし、枯れた大地とかはちょっと夏っぽいですが、あくまで過去の夏を思い浮かべているだけということで。

「風を飲み干す」という言葉は某レジェンドなバンドから強く影響を受けています。風に吹かれるわけではなくて、受動的ではなく能動的に、飲み干す。一緒に冷たいペットボトルでもなんでも思い浮かべてくれたら作詞者冥利に尽きます。